中年おやじが日商簿記3級に2か月間の独学で合格した勉強方法

私が簿記の勉強を始めたのは38歳のときでした。ゼロからのスタートだったので簿記3級のテキストと問題集を買いましたが、結果としてテキストは全く使いませんでした。平日は1日あたりの簿記の勉強時間はあまりとれなかったのですが、休日に図書館を利用するなどして、2か月ほど簿記3級の勉強しました。結果として90点以上の点数で合格しました。
なるべく効率よく簿記3級の勉強するためにいろいろと調べて実践した結果、お金と時間をかけずに最も効率がよく、誰でも実践できる簿記3級の勉強方法が分かりました。
会計業務の基礎を学ぶために最適な資格「日本商工会議所簿記検定試験 3級」に2か月の独学で合格するための準備、勉強法、試験対策についてまとめます。
※ 本記事は2026年現在の試験仕様(試験時間60分、大問3問構成、第1問45点・第2問20点・第3問35点、ネット試験(CBT)併用)に更新しています。個人体験談の部分は執筆当時(2016年・試験時間120分・大問5問構成)の内容です。
日商簿記3級の準備と勉強方法まとめ
STEP1:1,000円以上の日本製の電卓を購入する
簿記3級の試験には事務用の電卓が必要です。電卓は、100円ショップで買えるものから数千円の高級品までいろいろな種類があります。安いものはキーの反応が遅く、早打ちすることができず、計算に時間がかかります。簿記3級で使用する電卓は、最低でも定価が1,000円以上の日本製の電卓を購入しましょう。Amasonなどで評価の高いものを選択するといいでしょう。
STEP2:日商簿記3級の問題集を購入する。
おすすめはTACの合格するための過去問題集 日商簿記3級です。試験の2か月前に最新版が発売されます。簿記3級の参考書やテキストは必要ありません。過去に出題された箇所を解くことにより、設問の解き方をマスターします。簿記3級のテキストをはじめから読んでも全く身につきません。TACの簿記3級過去問題集の解説を読んでも理解できないところは、簿記3級のテキストで調べるよりインターネットで調べたほうが早いです。
2020年12月以降、日商簿記3級はネット試験(CBT方式)が導入され、随時受験できるようになりました。ネット試験は紙の問題集だけでは画面操作に慣れません。ネット試験で受験する場合は、TACなどが提供するCBT形式の予想問題集や、商工会議所の公式サンプル問題でPC入力に慣れておきましょう。
STEP3:1日1時間の勉強時間を確保する。
簿記3級の標準勉強時間は50時間~100時間と言われています。平日に勉強時間の確保が難しいときは、翌日に2時間勉強したり、土日にまとめて簿記の勉強します。毎日継続したほうが簿記の知識が定着しやすいです。
STEP4:簿記3級の仕訳問題を毎日15問解く
簿記3級は仕訳作業が基本になります。また、簿記3級の第1問は仕訳問題が15問出題され、配点が45点と最も大きいため、過去に出題された仕訳問題は完璧にしておく必要があります。簿記3級過去問題集の仕訳問題を1日15問解いて、残った時間は仕訳以外の練習に充ててください。
STEP5:簿記3級の過去問題集を繰り返し解く。
簿記3級過去問題集の過去10回分を毎日解きます。ゼロからのスタートであれば、最初は設問の解き方が全くわからないはずです。TACの簿記3級過去問題集には解き方のポイントが記載されています。まずは解説を見ながら解きましょう。簿記3級の設問の解き方を理解できるまでは、解説を読んだり、解き方を調べるのに時間を取られます。1か月以上はそのような状態がつづくかもしれませんが、挫折してはいけません。簿記3級の練習を重ねるとだんだん解けるようになります。
簿記3級過去問題集の使い方
日商簿記3級の試験は、ひたすら設問を解いて練習すれば、試験に合格することができます。しかし、簿記3級試験の構成を理解し、正しい戦略をもって勉強したほうが、効率的ですし、不安や迷いがありません。
簿記3級の過去問題集を効率よく繰り返し解くために私の実践した方法は次の通りです。
- 簿記3級の設問を解き、答え合わせをする。
- 簿記3級過去問題集の左の余白に点数をつけておく。
- 次回設問を解いたときも同じように繰り返す。
- 連続3回、90%以上得点した問題は飛ばして次の苦手な問題を優先的に解く。
上記のステップを繰り返すことにより、簿記3級の苦手分野やひっかけ問題を重点的に解くことができます。
簿記3級試験の1回分を一気に解き、答え合わせや添削をすると、2時間以上かかります。簿記3級の勉強を1日1時間で終わらせるには、設問ごとに「解答⇒答え合わせ」を済ませ、次に進むようにします。
日商簿記3級の配点
日商簿記3級は2021年6月以降、大問3問構成に再編されました。それぞれの配点は以下の通りです。
- 第1問:45点(仕訳15問×3点)
- 第2問:20点(補助簿・勘定記入・伝票・空欄補充など)
- 第3問:35点(決算整理・財務諸表・精算表)
- 合計:100点
簿記3級では、配点45点の第1問(仕訳)で得点を稼ぎ、配点35点の第3問(財務諸表/精算表)で確実に部分点を獲得することが合格への近道です。第2問は配点20点と相対的に小さいので、難しい論点が出題された場合は深追いせず部分点で済ませる判断も必要です。
簿記3級は、100点満点中70点以上で合格となります。満点を取る必要はないので、難しいところに時間をかけて解く必要はありません。簡単な箇所を確実に解くことが大切です。
日商簿記3級の時間配分
日商簿記3級の試験時間は2021年6月から60分に短縮されました(従来は120分)。各問題に対する目標時間配分は以下の通りです。
- 第1問:15分
- 第2問:10分
- 第3問:30分
- 最終チェック:5分
問題を解く順番は、
第1問 ⇒ 第3問 ⇒ 第2問
をお勧めします。配点の大きい第1問(45点)と第3問(35点)を確実に押さえることが最優先です。
統一試験(紙)を受験する場合、試験開始前に解答用紙の全ページに名前と受験番号を書く時間があります。そのときに、解答用紙の余白に時間配分の目標時刻をメモしておくことをお勧めします。例えば、第1問⇒「9:30~9:45」と書いておきます。目標時刻を設定しておくことにより、時間配分を厳守することができます。メモした目標時刻は解答用紙を提出する前に消してください。
ネット試験(CBT)の場合、画面に経過時間/残り時間が表示されますので、各問題の終了予定時刻を試験開始直後にメモ用紙へ書き出しておきましょう。
簿記3級の試験の途中で設定した目標時刻に終わらなかったときは途中でやめて、次の設問に進み、最終チェックの時間に解くようにします。このようにすると、簡単な設問を先に解くことができます。簿記3級は簡単な問題を取りこぼさないことが、合格への近道となります。
簿記3級でケアレスミスを防ぐためには最終チェック時間が大切です。試験時間が60分に短縮されたため、チェック時間は5分程度しか取れません。配点の大きい第1問(仕訳15問)を優先的にチェックしましょう。
日商簿記3級の第1問対策
日商簿記3級の第1問は仕訳問題が15問出題されます。配点は1つの仕訳あたり3点の合計45点と、3問中最大の配点です。出題パターンが決まっているので、点数を稼ぎやすい反面、配点が高いため間違えたときに合否に大きく影響します。
簿記3級はひっかけ問題のパターンも決まっています。チェックの時間を使って設問の文章をしっかり読みましょう。
仕訳を練習するために、過去に出題された簿記3級試験の仕訳問題を毎日15問は解きましょう。過去問題集や予想問題集を繰り返し勉強すれば十分です。簿記3級過去問題を解くうえで重要なことは間違えた箇所の解説をよく読み、しっかりと復習することです。どうしても理解できないときは暗記します。暗記した箇所はいずれ理解できるようになります。簿記問題集の仕訳の練習で間違えた箇所には×をつけておき、苦手箇所を克服しましょう。
簿記3級試験における仕訳問題は部分点という概念がないため、完全な解答が求められます。漢字や数字の間違いには注意してください。ネット試験(CBT)の場合、勘定科目はプルダウン選択、金額はテンキー入力になるので、操作スピードを上げる練習も重要です。
日商簿記3級の第2問対策
日商簿記3級の第2問は、補助簿の選択、勘定記入、伝票記入、空欄補充(語群選択)、適語選択などが出題されます。2021年改定以降、出題パターンの幅が広がりました。
簿記3級第2問の配点は20点です。第1問・第3問に比べて配点は小さいですが、簡単な問題が出題されることもあるので、捨てずに必ず解いてください。「後回しにしたため時間が足りず問題を解けなかった」ということがあってはなりません。
簿記3級第2問の勉強方法は、過去問題集や予想問題集を繰り返し解くことです。補助簿の記入や伝票記入に苦手意識をもつことがあるかもしれませんが、パターンを覚えてしまえば簡単です。暗記するつもりで根気強く繰り返してください。
簿記3級試験は難しい問題に時間をかけて考える必要はありません。簿記試験は完答しなくても部分点をもらえることがあるため、わからないときはひらめきで答えを書いてください。
日商簿記3級の第3問対策
日商簿記3級の第3問は決算整理仕訳から、財務諸表(損益計算書・貸借対照表)または精算表を作成する問題が出題されます。試算表からの作成パターンもあります。
簿記3級第3問の配点は35点です。ボリュームが大きいため時間がかかりますが、30分程度で解き終えるように練習して慣れてください。設問を解くにはまず仕訳作業を早く正確にこなさなければなりません。早く書くコツとしては、次の方法があります。
1.計算用紙を半分に折る。
計算用紙は主に簿記3級試験の第3問で使います。用紙を縦に半分に折ることにより、線を書かずに貸方と借方を分別できます。ネット試験(CBT)の場合は会場で計算用紙が貸し出されます。
2.仕訳勘定を省略して書く。
簿記の仕訳勘定を書くときにすべて書いていたのでは、時間が足りなくなります。具体例としては、現金⇒G、当座預金⇒T、買掛金⇒買×など、自分の好きな記号や文字を使います。文字を書く時間を節約できるほか、見やすくなり集計ミスの防止につながります。
3.金額の下3桁を省略する。
具体例として「65,000」⇒「65,-」と書きます。簿記試験では、桁数の大きい金額が多く出てきます。計算するときに0を省略することにより時間の節約と、桁の間違いの防止が期待できます。
仕訳した結果を集計して財務諸表や精算表に書き移すとき、「T勘定」を利用したほうがいいでしょう。簿記3級試験では、最終チェックするときにも「T勘定」を書いておいたほうが便利です。
純利益や純損失、貸借合計など集計に時間のかかる箇所は後回しにしましょう。仮に合計を計算できなくても、簿記3級試験の失点は2点程度です。先に確実に取れる仕訳・勘定残高の記入を済ませて、時間が余ったら合計を埋める戦略が有効です。
簿記3級第3問の勉強方法は、過去問題集や予想問題集を繰り返し解くことです。繰り返し練習することにより、出題パターンが身に付き、計算も早くなります。仕訳で間違えたところに×印をつけておきましょう。
日商簿記3級の最終チェック
日商簿記3級の最終チェックは、簡単で自信のある箇所から順番に行います。自信のある箇所ほど、ケアレスミスがあるものです。文章や指示を読みとばしてしまったところなどがないか、入念にチェックしましょう。試験時間が60分と短いので、特に配点最大の第1問(仕訳15問×3点)を優先的にチェックします。
日商簿記3級は満点を狙う必要はありません。難しい箇所や、自信のない箇所に時間をかけず、解けるところを確実に得点するようにしましょう。
ネット試験(CBT)について
2020年12月から日商簿記3級ではネット試験(CBT方式)が導入され、全国の指定会場で随時受験できるようになりました。統一試験(紙)は引き続き年3回(6月・11月・2月)実施されています。
ネット試験の主な特徴は以下の通りです。
- 会場のPCで受験し、画面に問題が表示される
- 解答もPCで入力する(仕訳の勘定科目はプルダウン選択、金額はテンキー入力)
- 計算用紙は会場で貸し出され、持ち帰り不可
- 試験終了直後に画面で合否がわかる
- 合格証はマイページからダウンロード
- 受験日を自分の都合に合わせて選べる(統一試験の年3回に縛られない)
ネット試験と統一試験で、試験時間(60分)・配点・出題範囲・合格基準(70点以上)は同じです。「早く合格証が欲しい」「2か月で合格を狙いたい」という場合はネット試験、「会場の雰囲気で集中したい」という場合は統一試験を選びましょう。
ネット試験を受ける場合は、TACなどの予想問題集に付属するCBT形式のWeb模試や、商工会議所が公式に公開しているサンプル問題で、PC操作に慣れておくことが重要です。