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火災保険の見直しによる節約方法

火災保険の見直しによる節約方法

※本記事は2016年4月公開時の内容を、2026年6月時点の最新情報(2019/2021/2022/2024年の連続値上げ、契約期間最長10年→5年への短縮、地震保険料率2022年10月改定、こくみん共済coopへの名称変更等)に合わせて加筆修正しました。

2015年10月から火災保険料が大幅に値上げされ、その後も連続値上げが続いています

2015年10月の値上げに加えて、2019年・2021年1月・2022年10月・2024年10月と立て続けに火災保険料が値上げされ、累計では30〜40%以上値上がりしている地域・建物構造も珍しくありません。また、2014年から複数回にわたり地震保険料も値上げされてきました。同一条件での契約だと、当初想定を大きく超える値上がりになるケースもあります。

一般的な保険会社では、契約更新時に更新後の保険料が通知されます。通知が届いた後に被保険者側から解約などの連絡をしなければ、自動的に更新され、値上げされた火災保険料が適用されます。火災保険料の負担増を回避したければ、契約更新のタイミングで火災保険の見直しを検討しなければなりません。

通常、火災保険に加入するときは、保険会社の代理店から説明を受けてから加入します。代理店は、顧客の要望に応じて契約内容を提案してくれます。万が一の事故に備えるためにはいろいろなオプションがついてきます。代理店が推奨する内容で、妥協せずに契約すると火災保険料が高額になります。

火災保険料を安く抑えるにはどうすればいいでしょうか?

火災保険料を節約するための見直しポイントは次のとおりです。

  1. 火災保険の保障範囲の見直し
  2. 火災保険料の支払方法を一括払いに変更
  3. 長期契約を利用(最長5年へ短縮された点に注意)
  4. 約定付保割合の見直し
  5. 複数の火災保険会社を比較
  6. FPによる無料相談を利用する
  7. 火災共済を利用する
  8. 2022年10月の地震保険料率改定で地域差拡大
  9. まとめ

火災保険の保障範囲の見直し

火災保険の保障範囲は、火災事故をはじめ、水害(洪水、土砂崩れ、高潮)、風害(台風、竜巻、強風、ひょう、雪)、地震、破損・汚損、盗難など、多岐にわたります。

火災保険の保障範囲は、建物の立地条件によっては必要性のないものもあります。たとえば、建物が高台にあるときは洪水、土砂崩れ、高潮のような水害リスクは少なくなります。建物の中に貴重品を置かないときは、盗難の被害額は少なくなります。

リスクの少ない保険事故に対する保障を外し、リスクの高い災害等に保障内容を集中することにより、保険料の大幅な節約ができます。

火災保険の保障範囲を細かく設定できる場合は、それぞれの保障範囲について想定されるリスクを分析して、本当に必要かどうかをよく検討しましょう。

ただし、2016年以降の状況として水害リスクは全国的に高まっています。2018年西日本豪雨、2019年台風15号・19号、2020年7月豪雨、2023年・2024年の線状降水帯による集中豪雨など、毎年のように大規模な水害が発生しています。これまで「高台だから安心」と思われていたエリアでも、土砂崩れリスクや内水氾濫(下水処理能力を超える豪雨)による浸水被害が報告されており、ハザードマップでの再確認をおすすめします。

火災保険料の支払方法を一括払いに変更

火災保険料の支払い方法は、月払い、1年払い、長期一括払いを選択できる場合があります。

分割で払うと手数料や利息が発生しますので、割高になります。月払いと1年払いを比較するとトータルの保険料は1年払いのほうが5%ほど安くなります。

長期契約の一括払いが一番安くなります。記事公開当時(2016年)は10年契約で2割近く節約できるケースもありました。ただし2022年10月の制度改正により、火災保険の契約期間は最長10年から最長5年に短縮されました。これにより長期割引による節約効果は縮小しています。それでも1年契約より5年契約のほうが10%程度安くなることが多いため、可能な範囲で長期契約にしましょう。

途中解約したときの返戻金は、未経過分は満額返ってきます。

しかし、長期一括払いにするにはまとまったお金が必要なので、無理のない計画での支払が必要です。

長期契約を利用(最長5年へ短縮された点に注意)

2022年10月から、火災保険の契約期間は最長10年→最長5年に短縮されました。地震保険は引き続き最長5年です。火災保険料は2015年・2019年・2021年・2022年・2024年と連続的に値上がりしており、地震保険も同様の傾向です。

火災保険を長期契約すると契約期間中は値上げの影響を受けません。今後、火災保険料の値下げの可能性は低いため、可能な限り長期で契約したほうがお得です。長期契約したとしても、保険料は分割で支払うことができ、分割で払ったとしても単年契約より割引が大きく設定されています。

2026年現在は、火災保険の契約期間を最長の5年間とするのが基本戦略になります。保険会社によっては、5年契約の支払方法が一括払いのみの場合がありますので注意しましょう。

かつての10年契約と比べて契約期間が半分になったため、5年ごとに更新と見直しの機会が訪れます。値上げが続く環境下では、その都度保険料がジャンプアップするリスクがある一方、保障内容を時代に合わせて見直せるという側面もあります。

約定付保割合の見直し

火災保険の保障限度額は、建物評価額によって決まります。建物の評価額は各保険会社の計算方法によりますが、築年数がかなり経過していても新築時の価格とそれほど変わりません。建物の評価額が高いと、保障限度額も上がり、結果として火災保険料が高くなります。

たとえ火災などで建物が全部焼失しても、必ずしも新しく建て替える必要はなく、賃貸物件を利用する方法がありますよね。でも台風などで建物が一部破損したときは、建物自体を修理する以外に方法がありませんので、建物の修理代は全額保障してほしいです。

そこで、約定付保割合を下げて火災保険の保障限度額を意図的に下げる方法が考えられます。約定付保割合に応じて保障限度額が下がると保険料も下がります。

約定付保割合を設定したときの保険金の支払い方法が「実損払い方式」か「比例払い方式」かを必ず確認してください。

たとえば、建物の評価額が1000万円で、約定付保割合が80%とすると、保障限度額800万円になります。契約の内容が「比例払い方式」の場合、建物の一部が損壊した時に、修理代の80%しか保障されないからです。

建物が一部損壊したときの修理代の全部を保障してもらうには「実損払い方式」で契約する必要があります。

「実損払い方式」で約定付保割合をうまく利用することにより、目的に合った保障限度額を設定することができ、火災保険料が節約できます。

複数の火災保険会社を比較

火災保険の条件比較は、火災保険一括見積もり依頼サイト を利用しましょう。一度の入力で、10社以上の保険会社の中から、最適な保険を選べます。

2026年現在は以下のような一括見積サイトが利用できます。

火災保険の保障内容や掛金の設定について自分で調べるには難易度が高いです。保障の内容はいろいろな災害事故を想定しながら確認していかなければならないため、相当な経験がなければ本当に必要な保障がわかりません。

ネットで調べる場合は、価格.comの火災保険比較が、保障内容やオプションの説明が詳しく記載されており、利用しやすいと思います。

FPによる無料相談を利用

周囲に相談できる知り合いなどがいない場合は複数の保険会社の商品を取り扱う代理店の無料相談を利用しましょう。2026年現在は以下のような選択肢があります。

  • ほけんの窓口:全国700店舗以上の対面型ショップ
  • 保険見直し本舗:全国350店舗以上+オンライン相談
  • マネードクター:FP訪問型・オンライン対応
  • みんなの生命保険アドバイザー:FP訪問型
  • 保険マンモス:FP訪問型の老舗

私は生命保険の相談もあわせて見直していたため一括見積の無料相談をお願いしました。ライフプランの専門家である、ファイナンシャルプランナー(FP)を派遣してもらえます。生命保険とあわせて火災保険の説明をしていただきました。派遣されたFPの技量や経験の差があることから、複数のFPに相談することをお勧めします。

2020年のコロナ禍以降、Zoom等を使ったオンラインFP相談も普及しました。地方在住で店舗が少ない方や、対面が難しい方でも、自宅から専門家のアドバイスを受けられるようになっています。

保険商品の契約は長期的にみると、数百万円の買い物になります。一人で決めずに専門家に相談し、納得したうえで決断することも大切です。

火災共済を利用する

一般的に「民間の保険は掛け金が高く、保障が手厚い」一方、「共済は掛け金が安く、保障が弱い」と言われています。保障の内容をある程度妥協できる場合は共済を利用しましょう。

火災共済の共済掛け金が安い理由としては、そもそも共済は、営利目的ではなく、会員向けに行う福利厚生事業という位置づけにいるためです。民間の保険会社と比較すると運営費や広告費用のコストが安く、余剰金が出た場合は、割戻金が出るなど、結果として保険料が安くなります。

火災共済の保障の仕組みは民間の保険会社と同じですが、保障内容を細かく設定できないというデメリットがあります。

例えば、自然災害や地震に対する保障には「実損払い方式」が設定できないため、共済掛け金を安くするには保障限度額を下げるしかありません。建物の保障限度額を安く設定すると、建物が一部損壊したときの修理代が満額保障されない恐れがあります。

また、地震共済の保障限度額は、最大でも火災共済の33%にとどまります。

したがって、共済は保障限度額を高めに設定しないと、思うような保障を受けられないため、結果として火災保険保険より高くなってしまう可能性もあります。

こくみん共済coop(旧全労済、2019年6月にブランド名変更)のホームページで、火災共済(住まいる共済)の掛け金の自動見積もりを利用することができます。そこでおすすめプランの保障内容で掛け金合計額を見るととんでもない金額になります。一度試してみてください。

火災共済の活用方法について詳しくは、「火災共済をうまく活用するためのポイント」でも解説しています。あわせて参考にしてください。

2022年10月の地震保険料率改定で地域差拡大

地震保険料率は2014年以降複数回にわたって改定されてきましたが、特に2022年10月の改定では地域差が大きく拡大しました。

具体的には、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)や、南海トラフ沿岸の静岡・愛知・三重・和歌山・徳島・高知などでは大幅な値上げ、一方で北海道・東北の一部地域では値下げとなりました。

住んでいる地域によって地震保険料が大きく違ってくるため、見積もりを取って具体的な金額を確認することが重要です。リスクの高い地域では、地震保険を中途半端な保障額で契約するよりも、家族の避難先の確保や、住宅ローン残高の繰上げ返済といった代替策の検討も含めて、トータルでリスク対策を考える視点が必要です。

なお、地震保険料は所得税で最大5万円、住民税で最大25,000円の地震保険料控除の対象です。年末調整や確定申告で控除を忘れずに申請しましょう。

まとめ

火災保険料は2015年以降、2019年・2021年・2022年・2024年と連続値上げが続き、累計で30〜40%以上値上がりしているケースもあります。さらに2022年10月から契約期間が最長10年→5年に短縮され、長期割引による節約効果も縮小しています。

こうした環境下での見直しポイントは以下のとおりです。

  • 保障範囲を絞る:立地条件に応じて不要な保障を外す。ただし水害リスクは全国的に高まっているため、ハザードマップで再確認を
  • 支払方法は長期一括払い:5年契約・一括払いで最大限の割引を取る
  • 約定付保割合+実損払い方式:建て替えは想定せず、修理代を満額カバーする保障額に絞る
  • 一括見積(インズウェブ・保険スクエアbang!・価格.com等)で複数社比較
  • FP無料相談(対面・オンライン)で第三者の視点を取り入れる
  • 火災共済(こくみん共済coop・県民共済等)も選択肢に
  • 地震保険料控除を年末調整・確定申告で必ず申請(最大所得税5万円・住民税25,000円)

火災保険は10年単位の長期的な家計負担になります。値上げが続く環境下では、契約更新のたびに必ず見直しを行い、最適な保障内容と保険料を確保しましょう。